みかんの中でも特に甘くてジューシーな「甘平」をご存知ですか?愛媛県でしか栽培されていないこの希少な柑橘は、今が旬の時期です。この記事では、甘平のおいしい食べ方やレシピをはじめ、皮の活用法などをご紹介します。甘平を食べて、冬の寒さを吹き飛ばしましょう!
甘平とは?特徴や旬、産地を紹介
愛媛県でしか栽培されていない希少なみかん「甘平」は、主に宇和島市、伊方町、八幡浜市などで生産されています。「西の香(にしのかおり)」と「ポンカン」を交配して生まれた新品種で、糖度が高くて酸味が少ないのが特徴です。
果汁がたっぷりでプチプチとした食感が楽しめるほか、果皮は薄くて柔らかく手で簡単に剥け、種もなく食べやすい柑橘です。
甘平は1月下旬から3月上旬が旬で、特に高品質のものが「愛媛Queenスプラッシュ」として出荷されます。甘平は旬の時期が短いので、早めに味わってみてください。通販や産地の直販サイトで購入が可能です。
甘平の栄養や効能を知ろう
甘平にはおいしいだけでなく、さまざまな栄養素が含まれています。甘平に含まれるビタミンCやβ−カロテンは、免疫機能を正常に働かせたり細胞の老化を防いだりする効果が期待できる抗酸化物質。健康や美容によい影響を与えてくれます。
また、甘平の薄皮には食物繊維の一種「ペクチン」が多く含まれています。ペクチンは、便秘の解消や生活習慣病の予防に役立つ栄養素です。そのほか、血圧の調整や筋肉の働きに必要なカリウムも豊富に含まれています。旬の甘平を食べて、健康や美容に役立ててくださいね。
甘平のおいしい食べ方のコツ
甘平の食べ方やおいしく食べるコツ、皮の活用法などをご紹介します。
皮の剥き方
甘平は皮が薄くて柔らかいので、手で簡単に剥けます。一般的なみかん(温州みかん)と同じように、手で剥いて食べましょう。
また、オレンジを剥くのによく用いられる「スマイルカット」もおすすめ。甘平を横半分に切り、それぞれを半分に切ります。さらに1つずつを半分にカットし、全部で8等分にしたらスマイルカットの完成です。
手を汚したくない時、おもてなしの時などにピッタリ。果肉と外皮の間に包丁を入れれば、より食べやすいですよ。
「冷やして食べる」「常温で食べる」どちらがおいしい?
甘平は冷やすと甘さが引き立ちますが、常温でも十分に美味しく食べられます。好みに合わせて食べるとよいでしょう。
冷やす場合は、冷蔵庫で1時間程度冷やすのがおすすめ。常温で食べる場合は、直射日光を避けて冷暗所で保存してください。
甘平の皮の活用術
甘平の皮は細切りにして砂糖漬けにしたり、マーマレードにしたりするとよいでしょう。皮にもビタミンCや食物繊維などの栄養素が含まれているため、皮まで丸ごと活用することで、より健康に役立つ可能性があります。
また、甘平の皮を乾燥させて使う方法もあります。みかんの皮を乾燥させてつくる「陳皮(ちんぴ)」は漢方薬として用いられるほか、七味唐辛子などにも入っています。
食べる以外には、入浴剤や掃除への活用が可能です。皮に含まれる精油成分「リモネン」は、爽やかな香りでリラックス効果をもたらしたり、油汚れに効果を発揮したりすることで知られています。
甘平を使ったおすすめレシピ
甘平がたくさん手に入ったら、アレンジレシピを試してみてはいかがでしょうか?手軽に作れる甘平を使ったレシピをご紹介します。
甘平と生ハムのサラダ
甘平の甘さと爽やかさ、ブロッコリーの旨みと生ハムの塩気が絶妙にマッチした、サラダのレシピです。
【材料】
甘平:2個、塩:小さじ1/5、酢:大さじ1、オリーブオイル:大さじ1、生ハム:4枚、ブロッコリー:1/4株
【作り方】
- 甘平は皮をむいてから横半分に切り、それぞれをくし切りにする
- ボウルに塩、酢、オリーブオイルを入れて混ぜ、1を加えなじませておく
- ブロッコリーを小房に分け、塩少々を加えた熱湯で茹で水気を切る
- 皿にブロッコリーを盛り付けて2をかけ、生ハムを添える
好みで粉チーズやブラックペッパーを振ってもおいしいですよ。
甘平のジャム
甘平がたくさん手に入ったら、ジャムにするのもおすすめです。レシピでは一般的なグラニュー糖の量を紹介していますが、甘みの強い甘平なら少々控えめ(40%程度)でもいいかもしれません。お好みで加減してみてくださいね。
【材料】
甘平:好きなだけ、グラニュー糖:使用する甘平の重量(正味)の50%
【作り方】
- 甘平の皮を剥く
- フードプロセッサーで、なめらかになるまで撹拌する
- 鍋に2とグラニュー糖を入れ、耐熱性のヘラでかき混ぜながらとろみがつくまで煮込む
フードプロセッサーを使わず、包丁で果肉をカットしても作れますよ。半分煮込んでいる際にアクが出てきたら、その都度取り除いてください。ジャムを瓶詰めする場合は、瓶を煮沸消毒しておくのを忘れないようにしましょう。
甘平のレアチーズケーキ
甘平の爽やかな甘さとクリームチーズの風味が、絶妙にマッチするレアチーズケーキをご紹介します。手間がかかるようで、意外に簡単!ぜひ試してくださいね。
【材料[15cm丸型(底取)1台分]】
- 甘平:2〜3個
- (チーズ生地)クリームチーズ:200g、生クリーム:200cc、砂糖20g、ゼラチンをふやかす水:大さじ3、粉ゼラチン:8g
- (底生地)ビスケット:10枚(約60g)、無塩バター:40g
【作り方】
- (下準備)クリームチーズは常温に戻す。水と粉ゼラチンを耐熱容器に入れふやかしておく。
- 甘平は外皮をむき、薄皮ごと小さく切っておく
- (底生地を作る)ビニール袋にクッキーを入れて細かく砕いたら、バターを入れて混ぜ合わせておく
- 型の底にラップかクッキングシートを敷き、3を敷き詰めて冷蔵庫で冷やしておく
- (チーズ生地を作る)ボウルにクリームチーズを入れてやわらかくなるまで混ぜる
- 5に砂糖を入れ、生クリームを加えながら都度よく混ぜる
- ふやかしておいたゼラチンを、ラップなしでレンジで加熱(600Wで10秒ほど)して溶かす
- 7を6に加えて混ぜ、さらに2を加えてゴムべらで混ぜる
- 8を4に入れて平らにならし、冷蔵庫で冷やす
果肉は混ぜずにチーズ生地の上に乗せても◎お好みでアレンジしてみてくださいね。
まとめ
この記事では、愛媛県でのみ栽培できる希少なみかん「甘平」の食べ方について紹介しました。甘平は糖度が高くて酸味が少なく、果汁がたっぷりで食べやすい柑橘です。果肉はもちろんのこと、アレンジ次第では皮までおいしく味わえますよ。
まだ食べたことがない方は、ぜひ旬の甘平を一度味わってみてください。甘平そのもののおいしさを堪能したら、いろいろな食べ方で楽しむのもおすすめです。